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食用バラ苗の植え付け(植え方)のコツ ナカイローズファーム
ナカイローズファームでは、化学的に合成した農薬を一切使用せずに、
バラを露地栽培(庭植え)で育て、食用に販売しています。
食用バラ苗と、観賞用のバラ苗では、植え付けのコツが異なるのでしょうか。
薔薇は永年樹木のため、一度植え付けると、そのあとは移動させることは避けたほうがよい植物です。
植え付けのコツを知ることは、食用バラのその後の生育に大きく関わってきます。
このコラムではおさえておきたい食用バラ苗植え付けのコツをご紹介します。
健康な食用バラ苗が育つ条件とは

1 土壌条件
2 気象条件
3 生物条件
♠土壌条件
排水性がよく、保水性がよく、通気性がよく、適量の養分を含み、多種多様な微生物が活発に活動している土壌が最高です。
排水性と保水性は相反しているようにみえますが、土が団粒化していれば、排水性と保水性両方を兼ね備えることができ、通気性もあがります。
土を団粒化させる方法は、現在の土壌の状態によって異なります。
現在 | 土壌改良例 |
砂地 | 堆肥、微生物活性剤、有機物 |
粘土質 | ゼオライト、もみがら、暗渠工事 |
土に含まれている養分は、土壌分析で知ることができます。
養分は、バラの生育に必要な種類×必要量と、現在含まれている養分を比較して、不足している養分を土壌に追肥するようにしましょう。
必要以上に多く与えると、逆にバラの生育に悪影響がでてしまいます。養分には、拮抗作用(きっこうさよう)があり、与えた養分が、別の養分の吸収をブロックしてしまうものがあります。また、与えた養分の全量がバラの生育にすべて使われるわけではなく、養分ごとに土壌に残留してゆきますので、定期的に土壌を分析して、施肥設計をすることが大切です。
♠気象条件
日当たり、気温、降水量、風通し、風の強さなどを指します。人為的にコントロールするのは非常に困難なため、できれば食用バラに適したい気象条件の場所でそだてることをおすすめします。
日当たり | 4~10月に一日5時間以上太陽光があたることが望ましい |
気温 | 日本国内全域で栽培可能 |
降水量 | 通常:できるだけ降水量が少ない場所がよい ナカイローズファーム資材:降水量が多い地域でも栽培可能 |
風通し | 風通しがよい場所がよい |
風の強さ | 強風が吹く場合はこまめに支柱をたて、バラ苗が揺れないようにしましょう |
黒星病と同じく、空気中の菌が食用バラの若い葉やつぼみの下の茎の部分で活発に活動することにより発生する病気です。ハウス栽培やベランダ栽培など、風通しがよくない環境で発生しやすい病気です。また、春と秋によく発生します。成長が阻害され、つぼみは咲かなくなります。
♠生物条件
3つの条件のなかで、最も人為的にコントロールしやすい条件です。
病害虫、雑草、獣害対策をさします。ナカイローズファームでは、食用バラ専用の病害虫対策資材をオンラインスクール受講生向けに販売しています。
雑草は病害虫の繁殖原因となります。特に、バラの株元の雑草は抜くようにしましょう。バラの苗と苗の間の雑草は、意図的に生やしておき方法を草生法とよび、地球温暖化抑制につながる方法として着目を浴びています。ナカイローズファームでも草生法を採用しています。
イノシシやきょん(鹿)などの害獣被害は、栽培地を柵で囲むことで防ぐことができます。
食用バラ苗の植え付け おすすめ時期は?
食用バラ苗の植え付けは、真夏、真冬を避けましょう。
植えた後、根が乾きやすく、最悪の場合には枯れてしまうこともあります。
4~6月、9月中旬以降~10月末がおすすめです。
食用バラ苗の植え付け手順
植え付けに必要な道具
スコップ | 穴の開いたタイプでもよいでしょう。柄が木製ではなく金属製ですと折れにくくておススメです。アルミ製だと軽量で女性でも扱いやすいでしょう。![]() | 苗 | ![]() |
支柱 |
植え付けるバラ苗の高さ(身長)+50センチ以上の長さがある支柱にしましょう | 紐 | 支柱とバラを紐でゆるく結び、風で苗が揺れたり倒れないようにします。栽培中に紐が切れてしまうことがあります。地球環境保護の観点から、できれば、土に還るタイプにしましょう。![]() |
ネームプレート | 植え付けを開始するまえに、バラの品種名を書いておきましょう | 水 | バラ苗1本あたり 5~8リットル 水道水でかまいません |
堆肥 |
完熟させた堆肥をつかいましょう | 微生物活性剤 | ナカイローズファームの土壌改良剤 ※プログラム生限定販売 植え付け前に堆肥に混ぜておく |
肥料 | ナカイローズファームの肥料 ※プログラム生限定販売 化成肥料は避け有機肥料が苗の植え付けにはオススメです。 |
1 | 穴を掘る 直径30センチ深さ30センチ以上 |
2 | 堆肥300~500g、肥料100~200g、土壌改良剤軽くひとにぎり 3点を穴に入れ、スコップで土とかき混ぜる |
3 | 掘り上げた土のうち1/4程度を穴に戻す |
4 | 苗を片手でもち苗の向きがまっすぐになる状態で穴にいれる |
5 | 苗を片手でもったまま、もう片方の手で、掘り上げた土を穴にもどしてゆく |
6 | すべての土が穴にもどす |
7 | 支柱をたてて、苗を紐で支柱に結ぶ |
8 | ネームプレートを土に挿す |
9 | ジョウロで水をかける |
![]() | 解説:中井 友實榮 ナカイローズファーム 株式会社バラの学校 代表取締役 農林水産省 農業女子プロジェクトメンバー 2011年東日本大震災をきっかけに食用バラの露地栽培をスタート。 食用バラの普及を通じて心と体を健康にし、社会貢献をめざしています。 |